作戦会議のホンネ
「あの人は癖が強かった」は人事の敗北宣言。中途入社者の“孤立”を防ぐ、『組織の拒絶反応ケア』
はじめに
「期待して採った大手出身の部長候補、現場と衝突して3ヶ月で辞めちゃったよ…」
「もう、経験者は怖い。変な癖がついているくらいなら、未経験を育てた方がマシだ」
経営者や人事の方と膝を突き合わせて話していると、こんな悲鳴を耳にすることが本当に多いです。
この「採用トラウマ」、痛いほど分かります。
でも、あえて厳しいことを言わせてください。
その失敗、本当にその人の「性格」のせいでしょうか?
もし、組織が新しい人材に対して『拒絶反応』を起こしているだけだとしたら?
今日は、採用・定着のプロとして、「人材」を見てきた私の視点から、不幸なミスマッチをゼロにするための「技術」について、書いていきます。
また「採用トラウマ」が増えてしまった…そのミスマッチ、本当に「相手のせい」ですか?
結論から言います。
「入社後に性格が合わなかった」という言葉は、人事としての敗北宣言です。
なぜなら、それは「選考プロセスで見抜けなかった」か、もしくは「入社後に我々が合わせられなかった」かのどちらかだからです。
選考プロセスの落とし穴。「伝えきれていない」ことが全ての不幸の始まり
「入社したら、思ったより泥臭い仕事ばかりで幻滅された」
これ、実は候補者のワガママではありません。企業側が「格好つけすぎた」結果です。
良いことばかり伝えて、口説き落とす。これは「採用」ではなく「詐欺」に近い。
我々HaReエージェンシーでは、「期待値調整」こそが採用の肝だと考えています。
これらを、選考段階で耳にタコができるほどすり合わせているでしょうか?
「言わなくても分かるだろう(だって即戦力だし)」は、採用における自殺行為です。
入社半年間の“癖”は、本人の性格ではなく「環境への防衛反応」かもしれない
「あいつ、やたらと前職のやり方を押し付けてくるんだよ」
「プライドが高くて、現場の話を聞かない」
よく聞く「癖が強い」という評価。
これ、実は本人の性格ではなく、「不安」の裏返しである可能性が極めて高いのです。
緊張、萎縮、虚勢…。「素の自分」が出せない心理状態を理解しているか
新しい環境(組織)に入った直後、人は誰でも「異物」です。
「ここで成果を出さなきゃ殺される(居場所がない)」そんな強烈なプレッシャーの中で、人はどうなるか?
⚫︎自分を大きく見せようとする(虚勢=前職自慢)
⚫︎失敗を恐れて動かなくなる(萎縮=指示待ち)
これを「扱いづらい性格」と断罪するのは簡単です。しかし、それでは組織は強くなりません。
必要なのはジャッジ(審判)ではなく、ケア(手当て)。
「ここは安全だ」と思わせる心理的安全性があって初めて、人は仮面を外し、本来のパフォーマンスを発揮できるのです。
現場を「傍観者」にするな。既存社員を巻き込む“土壌改良”の重要性
「今日から入る〇〇さんです。じゃ、よろしく」 これだけで現場に放り込んでいませんか?
これでは、まるで転校生がいきなり教室に入ってきたようなもの。
現場の社員は「え、誰?」「私達の仕事が奪われるの?」「また教える手間が増えるの?」と警戒します。
これが組織の『拒絶反応』の正体です。
役割・期待値・成長イメージの共有。「なぜ彼が必要か」を腹落ちさせる
植物を植える前に土を耕すように、人材を受け入れる前に「現場の土壌改良」が不可欠です。
経営・人事が現場に伝えるべき3つのこと:
- Why: なぜ今、この人材が必要なのか?(組織課題の共有)
- Role: 彼/彼女には何を任せ、既存社員とはどう住み分けるのか?
- Respect: 既存社員へのリスペクトは変わらないこと
既存社員を「傍観者」から「協力者」に変える。
「〇〇さんが来てくれて助かった!」と現場に言わせて初めて、オンボーディングは成功と言えます。
直属の上司任せは危険。「多層的・立体的」なサポート体制を作る
ここが今回の記事で一番伝えたい「コンセプト」です。
例えば、手術において、術後の経過観察を執刀医一人に任せる病院はありません。
看護師、薬剤師、カウンセラー…チーム全体で『拒絶反応ケア』を行いますよね?
組織も同じです。直属の上司はただでさえ忙しい。そこに「メンタルケアまでしろ」というのは無理があります。
【タテ・ヨコ・ナナメ】メンターや人事、他部署まで巻き込んだセーフティネット
ミスマッチを防ぐ組織は、意図的に「逃げ場」を作っています。
⚫︎タテ(上司): 業務目標の管理、進捗確認
⚫︎ヨコ(OJT/同僚): 実務の「いろは」、ランチなどのソフト面
⚫︎ナナメ(他部署のメンター/人事): 「最近どう?」という利害関係のないガス抜き
「業務スキル」のフォローは現場でできますが、「孤独感」や「自己効力感(やっていけそうだという自信)」のケアは、意外と「斜め上の先輩」や「人事」の方が話しやすいものです。
「最近、眠れてますか?」「最初の一ヶ月は分からなくて当たり前ですよ」
たったこの一言を、利害関係のない第三者がかけてあげる。
これが、特効薬になります。
まとめ
中途採用の失敗は、決して「運」ではありません。
「組織の拒絶反応ケア」という仕組みの欠陥です。
「あの人は癖が強かった」で終わらせず、「我々の着陸誘導(オンボーディング)はどうだったか?」を振り返ってみてください。
明日からできる「脱・採用トラウマ」アクションリスト:
- 選考プロセスの見直し:「悪い情報(大変なこと)」も含めた期待値調整を面接に組み込む。
- 土壌改良:入社1週間前までに、配属部署へ「その人の魅力と役割」をプレゼンする。
- ナナメの配置:直属の上司以外の「メンター(相談役)」を一人アサインする。
- 最初の90日の設計:成果よりも「馴染むこと(関係構築)」を目標にしたロードマップを作る。
「採用して終わり」ではなく、「定着して、活躍して、晴れやかな表情で働いてもらう」までが我々の仕事です。
失敗を“属人化”せず、“仕組化”して乗り越える。
大丈夫、御社の組織はもっと強くなれます。
一緒に、採用を「コスト」から「投資」に変えていきましょう!
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