半年間採用0名だった広告制作会社が
4ヶ月で応募者500名、7名決定になるまで
1.「採っても辞める」──25年企業の深い悩み
創業からおよそ25年、紙媒体とWEBの企業広告を一貫して手がけてきたC社は、社員30名前後の中堅クリエイティブ会社です。カタログや自社HPのブランディング実績が評価され、案件そのものはコンスタントに舞い込みます。しかし採用の現場では、毎年1~3名を中途で迎えても半年から1年で8~9割が離職し、採用投資がほぼ回収できない状況が続いていました。
当時の採用計画は「10名採って半分残ればいい」という“数で押さえる”発想でした。人材紹介会社への手数料は年収の35%、目安で150万円ほど。そこに一年目研修や人件費を加えると、一人が一年未満で辞めれば総額1,000万円規模の損失になります。短期離職が続けば人手不足は解消されず、既存社員の負荷も増大する。この悪循環を断ち切るため、C社は採用支援を目的にHaReエージェンシーへ声を掛けました。
2. 浮き彫りになった根本原因と最初の決断
最初の半年間、私たちは社長や幹部と週1回の打ち合わせを設定し、現場メンバーへのヒアリングも重ねました。見えてきた離職要因は主に2つ。ひとつはトップダウン文化や専門性/独自性の高さと入社組の価値観が合わないカルチャーミスマッチ、もうひとつは先輩が営業同行で社外にいる時間が長く新人が独りになりがちな放置感の強いOJTです。
解決の第一歩として、採用ターゲットを30〜40代の即戦力中心から、柔軟に文化へ適応できる20代の未経験・若手層へ転換する方針を決定しました。早期に離職していた即戦力採用を減らし、「育てて残す」戦略へ切り替えるためです。同時に、従来は紹介会社2社に依存していたチャネルを約10社へ増やし、転職サイト「Green」のスカウト機能も本格利用することで行動量を大幅に上げました。
3. 応募者管理を内製化し、研修を“放置ゼロ”に整備
応募が増えても連絡が滞れば辞退リスクは高まります。そこで弊社はサイボウズのkintoneを用いて応募者管理アプリを構築しました。職務経歴書や適性検査結果、選考状況、評価基準などを一画面で確認できるようにし、関係者間の情報共有を即時化。メンバーが応募者の動きをリアルタイムで追えるようになったことで「連絡が遅れて辞退」という初歩的なロスが減りました。
育成面では、元々C社にあった要素――ビジネスマナー研修、部門紹介、デザイン力の高い会社ならではの基礎研修、印刷工場での現場体験――を約1か月の研修スケジュールに落とし込みました。新人が会社全体の仕事を俯瞰し、自分の役割を早い段階で理解できる流れです。さらにメンターを付け、「見守っている」サインを出し続けることで放置感を軽減しました。
4. 数字に表れた変化と定着の兆し
施策を動かして2か月目、応募は百名を突破。3か月目には300名へ倍増し、その時点で4名が内定を承諾。4か月目の時点では計7名が内定を受け入れました(内訳はWEBデザイナー1名、ディレクター2名、事務1名を含む)。採用数の見直しにより、当初の「10名採用計画」は「7名をしっかり定着させる」計画に刷新されました。
この7名は経営幹部、そして新人が顔を合わせる週一のミーティングを継続し、組織内の考え方をすり合わせながら研修で得た知識を現場で実践する――そのサイクルが離職ゼロという結果につながりました。
5. 費用と期間、そして内製化への道
HaReエージェンシーの伴走費用は採用担当を1名採用する同程度のコストで実施します。戦略と実行をセットで泥臭く行い、半年〜1年半のスパンで支援をいたします。実行フェーズの途中からは採用担当にノウハウを落とし込み、内製化に向けた支援を行う事も弊社の特徴となっています。
6. まとめ──「行動量」「研修の仕組み」「情報の可視化」が支えた定着
行動量を増やす
紹介会社十社への拡大と「Green」スカウト、求人広告の活用などで“待つ”から“会いに行く”採用へ転換。放置しない研修を整える
1か月半の研修にビジネスマナー、部門紹介、工場研修を組み込み、メンターが伴走。kintoneによる情報の可視化
応募者の書類や選考状況を即時共有し、連絡遅れや情報ロスを最小化。
これらを同時に、しかも継続的に回し続けたことで、半年〜1年で8〜9割が辞めていた組織が2年半離職ゼロへ反転しました。特別な裏技はありません。ただ、既に会社にあった魅力と情報を“見える形”に整え、行動と育成を止めなかった。それだけで採用投資は無駄ではなくなり、組織は安定して成長フェーズへ踏み出しています。
HaReエージェンシーは、これからも企業が「採って、育てて、続く」サイクルを自前で回せるまで、隣で伴走し続けます。
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