【BtoB機械メーカー人事向け】
年収で大手に負けても内定承諾を勝ち取る!
「戦略的クロージング」の全技術

最終面接の手応えはバッチリ。候補者の表情も明るかった。

「これは、きっと来てくれる…!」

そう確信した数日後、届いたのは一通のお断りメール。そこに書かれた「給与面で他社様と慎重に比較検討した結果…」という見慣れた一文を見て、思わず天を仰ぐ…。

BtoB機械メーカーの経営者や人事の皆さんとお話ししていると、本当に多くの方がこの悔しい経験をされています。

でも、安心してください。この記事を読み終える頃には、あなたは年収という土俵から颯爽と降り、候補者から「ぜひ、あなたの会社で働きたいです」と選ばれるための、具体的でパワフルな武器を手にしているはずです。

採用活動を「コスト」から「未来への投資」へ変える旅を、一緒に始めましょう。

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【共感】「また年収か…」手応えがあったはずの優秀な技術者から届く、見慣れたお断りメール

「給与面で他社様と…」

このフレーズ、もはや聞き飽きましたよね。特に、私たちがご支援することの多い機械メーカー様では、即戦力となる30代・40代の優秀な技術者やセールスエンジニアがメインターゲットの場合が多いです。

彼らは、技術への探求心や仕事へのプライドはもちろんですが、同時に守るべき家族がいて、住宅ローンも抱えている。彼らにとって年収とは、夢や自己実現だけではなく、愛する人の生活そのものなんです。だから、年収が重要な判断軸になるのは当然のこと。

しかし、ここで思考停止してはいけません。

私たちが問うべきは、「なぜ、年収で負けたのか?」ではありません。

「本当に、辞退の理由は“年収だけ”だったのか?」

この一点に尽きるのです。

なぜあなたのオファーは届かないのか?敗因はオファー面談“以前”にある

結論から言います。

もしあなたが、内定辞退の敗因を「オファー面談での伝え方」や「最終提示額」だけにあると考えているなら、残念ながら、これからも同じ失敗を繰り返す可能性が高いです。

なぜなら、勝負はオファー面談の“以前”に、もう決まっているから。

もしかして、選考プロセスの中で、こんな「よくある間違い」を犯していませんか?

  • 候補者の「会社選択の軸」を、優先順位をつけて3つ、即答できない。
  • 「希望年収600万円」という言葉の裏にある、本当の願いや不安をヒアリングできていない。
  • 面接を、候補者を「見極める」だけの場にしてしまっている。

これらは全て、致命的なエラーです。

候補者の口にする「希望年収」という言葉は、彼らが発する“翻訳必須”のシグナルに過ぎません。その言葉の裏には、「家族との時間を大切にしたい」「残業を減らしたい」「技術者としてキャリアが停滞するのが怖い」といった、もっと根源的でパーソナルな願いが隠れているのです。

選考の初期段階でこれらのインサイトを掴み、信頼関係を築けていないと、最後の最後で候補者は、あなたに本音を話してはくれません。そして、最も角が立たず、分かりやすい「年収」という言葉を“辞退の言い訳”として使ってしまうのです。

年収の不利を覆す。『戦略的クロージング』実践3ステップ

「じゃあ、どうすればいいんだ!」

そんな声が聞こえてきそうですね。大丈夫。ここからが本題です。

年収という「点」だけで戦う消耗戦は、もう終わりにしましょう。

私たちが提唱するのは、候補者一人ひとりの人生に寄り添い、給与・働きがい・成長機会・労働環境などを複合的に組み合わせた、その人だけの最適な「パッケージ」として提示し、決断を促す。

これこそが、『戦略的クロージング』です。

これは小手先のテクニックではありません。採用活動の思想そのものをアップデートする、極めて重要な3つのステップです。

ステップ1:【インサイト獲得】選考初期で候補者の「価値観」を深掘りし、信頼関係を築く

まずは、面接を「見極めの場」から「相互理解の場」へと再定義してください。

スキルや経歴を確認するだけでなく、

「なぜ、転職を考えたのですか?」

「仕事において、何を一番大切にしていますか?トップ3を教えてください」

「次の会社で、どんな自分になっていたいですか?」

といった質問を通じて、相手の価値観(インサイト)を徹底的に深掘りします。ここで得た情報が、後の全ての戦略の土台になります。

ステップ2:【魅力の可視化】自社の提供価値を「トータル・リワード」として再定義する

次に、ヒアリングした相手の価値観に応えるための「自社の武器」を整理します。

あなたの会社の魅力は、給与だけではないはず。

私たちはこれを「トータル・リワード(総報酬)」と呼んでいます。給与のような金銭的報酬だけでなく、やりがい、働きやすさ、成長機会といった非金銭的報酬まで、全てを言語化し、可視化するのです。

各象限に、自社の魅力を書き込めるようになっているフレームワーク。

この棚卸しができて初めて、候補者の価値観に合わせた「武器」を提示できるようになります。

この「トータル・リワードの4象限マップ」を使い、自社の魅力をぜひチームで書き出してみてください。

ステップ3:【コンサルティング型面談】相手の人生に寄り添い、最適な「キャリア・パッケージ」を提示する

インサイトを掴み、武器を整理したら、いよいよオファー面談です。

しかし、ここでのあなたは、もはや単なる採用担当者ではありません。候補者の「キャリアの伴走者」です。

「〇〇さんの『家族との時間を大切にしたい』という価値観を伺って、当社の△△という働き方がお役に立てると考えました。提示年収はご希望に届かないかもしれませんが、残業が月平均×時間減ることで生まれる時間を、どう感じられますか?」

このように、ステップ1で得たインサイトと、ステップ2で可視化した魅力を掛け合わせ、その候補者だけの「キャリア・パッケージ」をオーダーメイドで提示する。これがパッケージ・クロージングの真髄です。

【確信】理論と実践で確信へ。候補者の心を動かす最後の一押し

「理屈は分かった。でも、本当にそれで人の心は動くのか?」

もちろんです。ここからは、あなたのその確信を揺るぎないものにするための、理論と実践的なヒントをお伝えします。

【理論編】なぜ年収だけではダメなのか? – 給与は「不満要因」でしかないという事実

実は、経営心理学の世界では、給与は「満足度を高める要因」ではないことが証明されています(ハーズバーグの二要因理論)。

どういうことか?

給与は、低ければもちろん「不満」に繋がります。しかし、仮に上がったとしても、その満足は長続きせず、すぐに「当たり前」になってしまう『衛生要因』なのです。

一方で、仕事の達成感、承認、責任、成長といった『動機付け要因』こそが、人の「満足度」を高め、やる気を引き出すとされています。

つまり、年収という衛生要因の土俵だけで戦うのは、そもそも人の心を本当に動かす上では、得策ではないのです。

【技術編】技術者の心を掴むキラーワード – 「承認」「最新技術への探求」「仕事そのものの面白さ」を刺激する伝え方

特に、私たちが向き合うことの多い技術者の方々は、強い探求心とプライドを持っています。彼らの『動機付け要因』を刺激するには、こんな言葉が有効です。

  • あなたの技術が、5年後の業界地図を塗り替える最初のピースになるんです」【承認】
  • 「この分野の第一人者である〇〇から、彼の持つ技術の全てを盗んでください」【成長】
  • 「このプロジェクトは、まだ誰も正解を知りません。だからこそ、最高に面白いんです」【仕事そのもの】

あなたの言葉で、彼らがこの会社で働く未来を、ありありと想像させてあげてください。

【最終奥義】決断を後押しする「誇り」という大義名分

そして、最後の一押し。

人は、特に責任感の強い人ほど、最後の最後は「お金がいいから、この会社に行きます」と自分自身や家族に説明することに、どこか抵抗を感じるものです。

だからこそ、私たちは、彼らが胸を張って決断できる「誇り」という大義名分を添えてあげる必要があります。

「年収も大事です。でも、それ以上に、この仕事は息子さんに『父さんはこんなすごい機械を作ってるんだぞ』と誇れる仕事だと、私たちは信じています」

この一言が、彼の心を決め、背中を押す最後の、そして最も強力な力になるのです。

まとめ:採用は「交渉」ではない。「人生の伴走」だ

いかがでしたでしょうか。

年収の不利を覆す「クロージング戦略」とは、単なる採用テクニックではありません。

それは、採用活動を「条件の交渉」から「候補者の人生に寄り添う、キャリアの伴走」へと捉え直す、思想そのものの転換です。

候補者の言葉の裏にある「人生の背景」に想いを馳せ、あなたの会社にしかない価値を、その人に合わせて編み上げる。この泥臭くも誠実なプロセスこそが、大手には真似できない、中小BtoBメーカーだからこその採用の勝ち筋なのです。

さあ、明日からこのアクションを始めてみませんか?

【明日からできるアクションリスト】

  1. 次の面接で、候補者に「会社選びで大切にしたいことトップ3」を、その理由と共に聞いてみる。
  2. チームメンバーと「トータル・リワードの4象限マップ」を使い、自社の魅力を30分で良いので書き出してみる。
  3. 次のオファー面談の冒頭で、「今日は条件の話だけでなく、〇〇さんのキャリアについて一緒に考える時間にしたいです」と伝えてみる。

採用は、経営そのものです。

あなたの会社にしかない価値を、未来の仲間へ、まっすぐに届けましょう。

私たちは、その挑戦をしゃかりきに応援しています。

「自社の魅力をどう言語化すればいいか分からない…」

「うちの会社に合わせた『パッケージ・クロージッシング』の具体的な進め方を知りたい」

もし、そんなお悩みをお持ちでしたら、まずは一度、私たちに話してみませんか?経営者の隣で汗をかく伴走者として、貴社だけの勝ち筋を一緒に見つけ出します。初回のご相談は無料です。

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