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メーカーで技術職が採用できない理由|条件を上げる前に見直す3カ所

2026年10月19日(月)
採用コストの最適化
  • #スカウト運用
  • #ダイレクトリクルーティング
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メーカーで技術職が採用できない理由|条件を上げる前に見直す3カ所

「求職者の質が低かった」「母集団が確保できなかった」

どちらも、中途採用が厳しかったと答えた採用担当者が、理由として選んだ回答です。

実際、中途採用が厳しかったメーカーの30.6%が「求職者の質が低かった」を、28.6%が「母集団が確保できなかった」を選んでいます(出典: 株式会社マイナビ「中途採用状況調査2026年版(2025年実績)」2026年3月)。

機械・電気のエンジニアは、転職希望者1人に対して6.81件の求人がある状態です(出典: パーソルキャリア株式会社「doda転職求人倍率レポート」2026年8月分)。

では、給与を上げるしかないのか。

同じ調査で「採用条件の面(給与・待遇)が弱かった」を選んだメーカーは27.0%でした。
質や母集団を挙げた会社のほうが、わずかですが多くいます。

この記事では、採用担当者への調査と当社の支援事例をもとに、メーカーが技術職を採用できない理由と、条件を上げる前に見直す3カ所を解説します。

この記事でわかること

  • メーカーで技術職が採用できない理由(調査データ)
  • 最初に見直す3カ所:求人票・集め方・選考
  • 技術職の求人票を書く前に、部門の責任者に聞くこと
  • 紹介会社に頼り切らずに技術職を採る方法
  • 紹介会社頼みだった技術職を、半年で6名採用した製造業の事例
メーカーが技術職の採用で見直す3カ所

目次

メーカーで技術職が採用できないのはなぜか?

技術者の取り合いが続くなかで、会いたい技術者からの応募が集まっていないからです。
応募の数そのものより、面接に進める応募が少ないことが、数字に表れています。

数字で見る、メーカーの技術職採用(求人倍率・面接設定率・採用が厳しかった理由)

機械・電気のエンジニアは、求人が転職希望者の6.81倍ある

dodaの転職求人倍率は、転職希望者1人に対して求人が何件あるかを示す数字です。
2026年8月は、全体の2.86倍に対し、エンジニア(機械・電気)は6.81倍でした。
前年の同じ月より1.43ポイント上がっています(出典: パーソルキャリア株式会社「doda転職求人倍率レポート」2026年8月分、2026年9月17日発表)。

職種転職求人倍率前年同月差
全体2.86倍+0.44
エンジニア(機械・電気)6.81倍+1.43

出典: パーソルキャリア株式会社「doda転職求人倍率レポート」2026年8月分(求人数÷転職希望者数。転職希望者の職種は直近の仕事のもの)

転職希望者1人あたり、6件を超える求人がある計算です。求人を出しただけでは、候補者が比べる6件の中の1件にすぎません。

メーカーは、応募者の約6割が面接に進んでいない

マイナビの調査で、1社あたりの応募者のうち面接を設定した人の割合(面接設定率)は、メーカーで40.8%でした。
全体の48.3%を下回り、回答が30社以上ある業種の中では、金融・保険・コンサルティング(31.7%)に次いで低い数字です。

業種面接設定率(応募者のうち面接を設定した割合)
全体48.3%
IT・通信・インターネット53.8%
メーカー40.8%

出典: 株式会社マイナビ「中途採用状況調査2026年版(2025年実績)」(従業員3名以上の企業の中途採用担当者1,500名、2025年12月17〜22日、インターネット調査。面接設定率は1社あたり平均、メーカーはn=294)

応募は来ていても、その6割近くは面接まで進んでいません。
「求職者の質が低かった」という回答と合わせると、足りないのは応募の数より、会いたい技術者からの応募だと読めます。

厳しかった理由は、給与よりも「質」と「母集団」が上

中途採用が厳しかったメーカーが選んだ理由は、次のとおりです。

中途採用が厳しかった理由(メーカー・上位6つ)選んだ割合
求職者の質が低かった30.6%
母集団が確保できなかった28.6%
採用条件の面(給与・待遇)が弱かった27.0%
面接や選考対応(情報提供・連絡など)が不十分だった26.2%
社内調整・意思決定が遅かった24.6%
マンパワーが不足していた23.8%

出典: 株式会社マイナビ「中途採用状況調査2026年版(2025年実績)」(2025年の中途採用が厳しかったと答えたメーカーの担当者、n=252、複数回答)

給与や待遇は、上から3番目です。
その上の「質」と「母集団」、その下の「選考対応」と「社内調整」は、給与を上げなくても手を付けられます。

最初に見直すのは「求人票」「集め方」「選考」の3カ所

調査で挙がった理由を、社内で見直せる場所ごとに分けると、次の3カ所になります(調査の選択肢を当社で分けたものです)。

見直す場所調査で挙がった理由確かめること
1. 求人票求職者の質が低かった会いたい技術者が「自分の仕事だ」と読めるか
2. 集め方母集団が確保できなかった紹介会社からの推薦を待つだけになっていないか
3. 選考選考対応が不十分/社内調整・意思決定が遅かった連絡と合否の判断が、どこかで止まっていないか

3カ所は、どれから始めてもかまいません。
ただ、集め方と選考は求人票の中身を使い回すので、最初に求人票を直すと、残りの2カ所も進めやすくなります。

1カ所目:求人票|会いたい技術者が「自分の仕事だ」と読めるか

技術職の求人票は、採用担当者だけでは書けません。
何を設計し、どの設備を使い、入社後に何を任せるかは、配属先の部門の責任者が知っているからです。

採用できている会社は、現場と細かく話している

リクルートの調査で、求人情報を作るときの取り組みを、採用できている中小企業とできていない中小企業で比べた結果です。
「現場担当者と採用担当者の間で細かくコミュニケーションを取っている」は、26.6%と17.2%で差がありました。
一方で「仕事の具体的内容を求人票に詳細に記載している」は、32.5%と31.1%でほとんど差がありません。

求人情報を作るときの取り組み(中小企業)採用できている採用できていない
応募資格や仕事の具体的内容を求人票に詳細に記載している32.5%31.1%
求める人材について、現場担当者と採用担当者の間で細かくコミュニケーションを取っている26.6%17.2%

出典: 株式会社リクルート「中小・中堅企業の事業課題・人材課題に関する調査『人手不足・採用編』」(全国の中小・中堅企業の事業責任者4,072人、2024年3月19〜25日、インターネット調査)

詳しく書くかどうかより、何を書くかを現場と決めているかどうかで差が出ています。

当社が支援した製造業の会社でも、技術職の求人票は、人事担当者と各部門の責任者への聞き取りから作りました。
担当の方は、こう振り返っています。

「求人票って、書けば終わりだと思っていました。でも媒体ごとに見る層が違うし、ポジションごとに伝えるべきことが違う。整理してもらって初めて、求人票が『採用ツール』だということが分かりました。」(出典: 株式会社HaReエージェンシー「導入事例 製造業・従業員約250名」)

求人票を書く前に、部門の責任者に聞く6つのこと

技術職の求人票を書く前に部門の責任者に聞くこと

1.部署では何を作っていて、この人はどの製品の、どの部分を担当するか
2.使う設計ツール・設備・測定器は何か(製品名で)
3.入社して半年で、どこまで任せたいか
4.今いる技術者は何人で、それぞれ経験は何年か
5.応募の条件のうち、必須の経験と、なくてもいい経験はどこで分かれるか
6.今いる技術者が、この会社に入った理由は何か

1〜4は求人票の仕事内容欄に、5は応募資格に、6は求人票の冒頭やスカウト文の書き出しに使います。

職種名と仕事内容に、担当する製品と工程を入れる

職種名が「技術職」「機械設計」だけだと、何を設計する仕事なのかが分かりません。
担当する製品や使うツールが書いてあれば、読んだ技術者は、自分の経験と比べられます。

次の作例のように、職種名に製品を、仕事内容の冒頭に担当範囲とツールを入れます。会社名や数字は架空です。

作例(会社名・数字は架空)

【職種名】

機械設計エンジニア(食品工場向け包装機の筐体・搬送部)

【仕事内容】

食品工場向けの包装機(受注生産、年間約40台)で、筐体と搬送部の設計を担当します。

3D CADはSOLIDWORKS、図面はAutoCADを使います。

※入社後半年は、既存機種の改良設計を先輩と組んで担当します。1年目の後半から、新しい機種の搬送部を1人で担当するのが目安です。

※設計課は7名(30代3名・40代3名・50代1名)。客先の工場での立ち会いは月1〜2回です。

仕事内容欄の書き方は「求人票の仕事内容の例文8職種」で、項目ごとに詳しく解説しています。

2カ所目:集め方|紹介会社の推薦を待つだけにしない

技術職の集め方を紹介会社だけに頼ると、推薦が来るかどうかも、費用も、自社では動かせません。
紹介会社と並べて、会いたい人に自分から声をかける手段を持っておきます。

紹介会社の手数料は、技術職で年収の3割前後

厚生労働省の調査では、紹介会社の手数料率(年収に対する割合)の平均は、研究職・技術職・専門職で31.3%、最も多かったのは30%でした(出典: 厚生労働省「採用における人材サービスの利用に関するアンケート調査(職業紹介事業者に対する調査)」2021年)。

採用が決まるまで費用がかからない点は、紹介会社の良さです。
ただ、技術職を何人も採る計画なら、1人ごとに年収の3割前後がかかり続けます。

紹介会社を使い続けるなら、推薦を増やすために渡す材料を見直します。
進め方は「エージェントコントロールとは?推薦が来ない原因と5つの進め方」で解説しています。

スカウトは、1通ずつ「なぜあなたに送ったか」を書く

会いたい人に自分から声をかけるのが、スカウト(ダイレクトリクルーティング)です。
転職サイトなどに登録している人の経歴を見て、会社から直接メッセージを送ります。

当社が支援した製造業の会社では、技術職を中心に、次のように進めました。

  • 3つのスカウト媒体を同時に立ち上げ、媒体ごとに見る層に合わせて求人を作った
  • スカウト文は、送った相手が「なぜ自分に送ってきたのか」を感じられるよう、1通ずつ書き分けた
  • 週100〜150通を送り、文面を比べながら改善した
  • 2週間に1回の定例で数字を見直し、3か月かけて返信率を安定させた

担当の方は「スカウトって送れば来てくれると思っていたんですが、全然そんなことなくて」と話しています(出典: 株式会社HaReエージェンシー「導入事例 製造業・従業員約250名」)。

スカウトは、送る相手を選び、文面を書き分け、返事を追う手間がかかります。
始める前に、毎週の送付と返信の確認を誰が担当するかを決めてください。
担当を置けないなら、外部に任せる範囲を先に決めます。

3カ所目:選考|連絡と合否の判断を止めない

応募が来ても、連絡と合否の判断が止まれば、採用は進みません。
機械・電気のエンジニアには1人あたり6件を超える求人があり、候補者にはほかの選択肢があります。
誰が、いつまでに決めるかを、応募が来る前に決めておきます。

厳しかったメーカーの約4社に1社が、選考対応と社内調整を挙げた

中途採用が厳しかったメーカーのうち、26.2%が「面接や選考対応(情報提供・連絡など)が不十分だった」を、24.6%が「社内調整・意思決定が遅かった」を選んでいます。
「採用スピード(応募〜内定まで)が遅かった」も21.4%でした(出典: 株式会社マイナビ「中途採用状況調査2026年版(2025年実績)」2026年3月)。

技術職の選考は、書類も面接も部門の責任者の確認が必要になります。
人事と部門の間で確認を待つ時間が、そのまま選考の遅れになります。

応募が来る前に決めておく4つのこと

  • 書類選考の担当と期限 — 誰が見て、応募から何日以内に返事をするか
  • 面接に出る技術者 — 仕事の中身を、求人票と同じ材料で話せる人
  • 面接で伝えること — 担当する製品、使うツール、入社後半年で任せること
  • 内定の判断者 — 最終面接の後、誰がいつまでに決めるか

期限の日数は、自社の部門の予定に合わせて決めてください。
期限を守れているかは、応募者ごとに4つの日付を記録すれば確かめられます。
「応募日」「書類の返事をした日」「面接日」「合否を伝えた日」です。

事例:紹介会社頼みだった技術職を、半年で6名採用した製造業

従業員約250名の製造業の会社では、技術職・専門コーポレート職の採用を、人材紹介会社に頼り続けていました。
採用単価が高止まりしていたため、スカウトを本格的に始めることにしました。

当社と行ったことは、次のとおりです。

  • 人事担当者と各部門の責任者に聞き取りを行い、10職種の求人票を作った
  • ビズリーチ・AMBI・RDSの3媒体を同時に立ち上げた
  • スカウトを週100〜150通送り、文面を1通ずつ書き分けて比べた
  • 2週間に1回の定例で、運用の数字と改善案を見直した
  • スカウトの送付から応募者の管理までを1枚のシートにまとめた
成果数字
採用決定半年で6名(技術職を中心に、専門コーポレート職を含む)
採用単価1名あたり約50万円の削減
スカウトの返信率ビズリーチ10%/AMBI5%/RDS3%

出典: 株式会社HaReエージェンシー「導入事例 製造業・従業員約250名」(支援期間6か月)

成果は、求人票の作り直し、3媒体の立ち上げ、スカウト文の改善、管理シートの整備を合わせて行った結果です。
担当の方は、こう話しています。

「紹介会社からの採用と比べると、候補者と直接やり取りするぶん、採用までの解像度が高い気がします。費用も下がりましたが、それ以上に『自分たちで採りに行けた』という感覚が残っています。」(出典: 株式会社HaReエージェンシー「導入事例 製造業・従業員約250名」)

メーカーの技術職採用でよくある質問

給与を上げないと、技術職は採れませんか?

給与や待遇が理由の会社もありますが、それだけではありません。
中途採用が厳しかったメーカーで「採用条件の面(給与・待遇)が弱かった」を選んだのは27.0%で、「求職者の質」(30.6%)や「母集団」(28.6%)を挙げた会社のほうが多くいました(出典: 株式会社マイナビ「中途採用状況調査2026年版(2025年実績)」)。
給与を見直す前に、求人票に担当する製品や任せる範囲が書かれているかを確かめてください。
書かれていないなら、そこから直します。

技術職の採用は、人材紹介に頼るしかありませんか?

ほかにも手段はあります。
紹介会社に頼っていた技術職を、スカウトで半年に6名採用した製造業の事例があります(出典: 株式会社HaReエージェンシー「導入事例 製造業・従業員約250名」)。
ただし、スカウトは毎週の送付と返信の確認が必要です。
社内で担当を置けるかどうかで、紹介会社と組み合わせる比率を決めます。

採用を外部に任せる場合、どこまで任せられますか?

求人票の作成、スカウトの送付、紹介会社との連絡、日程調整のような「回し続ける仕事」は任せられます。
どんな人を採るかを決めることと、合否を決めることは、自社に残します。
仕事の分け方は「採用担当が一人の会社は、何を手放すか」で解説しています。

まとめ:条件を上げる前に、求人票・集め方・選考を見直す

メーカーで技術職が採用できないとき、給与を上げる前に見直すのは次の3カ所です。

  • 求人票 — 部門の責任者に聞き、担当する製品・使うツール・任せる範囲を書く
  • 集め方 — 紹介会社の推薦を待つだけにせず、スカウトで自分から声をかける
  • 選考 — 書類の返事の期限と、合否を決める人を、応募が来る前に決める

まずは1カ所目から始めてください。配属先の部門の責任者と、6つの質問の答えを書き出すところからです。

技術職の採用を、求人票づくりから一緒に見直したい場合は、ご相談・お問い合わせからご連絡ください。

参考文献・出典一覧

発行元資料名発行・調査時期確認日
株式会社マイナビ中途採用状況調査2026年版(2025年実績)(従業員3名以上の企業の中途採用担当者1,500名、インターネット調査)調査2025年12月17〜22日/発行2026年3月2026-10-08
パーソルキャリア株式会社doda転職求人倍率レポート(2026年8月分)2026年9月17日発表2026-10-08
株式会社リクルート中小・中堅企業の事業課題・人材課題に関する調査「人手不足・採用編」(事業責任者4,072人、インターネット調査)調査2024年3月19〜25日/発表2024年9月12日2026-10-08
厚生労働省採用における人材サービスの利用に関するアンケート調査 結果の概要(職業紹介事業者に対する調査)調査2021年6〜7月2026-10-08
株式会社HaReエージェンシー導入事例 製造業・従業員約250名(技術職・専門職のダイレクトリクルーティング)2026年6月19日2026-10-08

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